空港の食堂にて
デパートの大食堂を思い出す空港の食堂で、オムライスにスパゲティとビーフシチューが乗ったプレートを食べつつなんとなく周りを見る。まあ家族連れが多いわけで、カミサマコングみたいな旦那さん（MBAを持っていたからデザイナーかなんかだと思う）とその家族もいたけど、それより私が気になったのは隣でパフェを食べていたごくごく幸せそうな家族だった。その旦那さんがたぶん私と同年代なのに、総柄ニットの襟や袖から赤タータンがちらりと見える合わせでどう見ても昔のスキー選手の休日みたいで、わざわざ飛行機が見える窓際に座ったのにあまりの強烈な光のために降ろされてしまったスクリーン（それはそれで助かった）から漏れる西日のぼんやり感でなんだか無性に懐かしい、あとなんとも説明のしようがないいろんな気持ち（悪い内容ではない）が沸き起こった。
例えば『レタスクラブ』読者で収納王子のテクニックを真似るために100均で区切り用のカットパネルを買いにいった奥さんが、帰りに「あんまり俺はおしゃれとかわからんしなあ」と学生時代から言っている旦那さんのために、若干値段優先で西武の紳士服売場で選んできたんじゃないかなという感じの、ちょっと野暮ったさのあるデザイン。でもそれに対していいとか悪いとか思うことはまったくなくて、ただ、普段自分の周りにいる同年代の友達の様相がものすごく若いだけであり、一般的な家族は彼らのような雰囲気なんだろうなという結論に落ち着いた、という話。
