talulah gosh's blog

リハビリがてらの備忘録(昔のブログは http://d.hatena.ne.jp/theklf/ )

11月13日(日)よしもと×K-PRO合同プロデュース・一夜限りの即興コンビによる即興漫才バトル!!〜M-1の大切な時期にこんなライブやってる場合じゃないですよ!〜@ルミネtheよしもと

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即興漫才バトルを見に行ってきた。よしもとと他事務所、それぞれくじ引きによる人選でテーマに基づいた即興漫才を披露し、お客さんの投票で優勝が決まる仕組み。

どのコンビもカラーがまったく異なり、それぞれの個性が出ていて面白かった。中でも「映画」をテーマに即興とは思えないほどの淀みなさで漫才を繰り広げたヤーレンズ出井×囲碁将棋 文田組はやっぱり飛び抜けていたと思う。優勝も納得という感じだった。そのほか、トップにも関わらず完璧な展開のモグライダー芝×えんにち月組、翻弄されつつも手綱は緩めない田畑藤本 藤本×ジャイアントジャイアン コマタツ組、「システマ」をオリジナルスタイルに転用したダイタク タク×ピーマンズスタンダード南川組が個人的に面白かった。以下全コンビのメモ。

モグライダー芝×えんにち望月「バイト」
えんにちのヤクザキャラを活かしつつカラオケバイトネタを振る芝さんと「ヤクザの質が違う!」というツッコミが冴える望月さん。普段からフリースタイルな芝さんかつNSC同期コンビだけにトップながら安定感抜群、滑らかな展開で基準値を上げ皆を戦かせていた。
●錦鯉 長谷川×相席スタート山崎「iPhone
舅と嫁感がどことなくある男女コンビ。長谷川さん定番の大声挨拶をスルーするケイさんが冷たすぎて最高。あと「セルフィーとか」でぎごちなくポーズを決める感じも最高。通話機器の変遷をただ話しているだけなのに面白いのがずるい。
ジャイアントジャイアン コマタツ×田畑藤本 藤本「病気」
藤本さんの「東大卒」も冒頭からぶち込まれたコマタツさんの「高校の中卒」発言には叶わない。天真爛漫さが一般常識と学歴の最高峰を凌駕したいい見本。
モグライダーともしげ×ボーイフレンド宮川「クリスマス」
「ほしいものの話」で主導権を握ってがんばる(がよくわからない展開になっていた)ともしげさんに連続ツッコミを入れ続ける宮川さん。ともしげさん曰く「このツッコミはマッサージ効果があるんですよ」。
ジャイアンジャイアンかーしゃ×ダイタク ダイ「金」
ダイタク タクさんと登場し双子間違いネタでひとしきりモメる。お得意の「●●だよ!」が即興で出せず苦戦するかーしゃさん、「あれはつくってあるから突然は出ないんだよ!」「…出るよ!」ダイさんの振りに本音とネタが入り交じる。
●エル・カブキ デロリアン林×囲碁将棋 根建「オリンピック」
「普段から操られているので操ってくれたら」という林さんに「ごめん操りきれなかった」という根建さん。二人の慌てぶりに尽きる。芸人さんは慌てると声を大きく出しステージを広く使うらしい。
ヤーレンズ出井×囲碁将棋 文田「映画」
相方もお客さんも巻き込む文田さんの安定した牽引力と、出井さんのアドリブミニコントなどに見られる対応力(「武闘派の先輩とクズの後輩」のミニコント話を思い出した)と相手に委ねる柳のようなバランス感がよくハマっていた。文田さんの「カラフルなスーツ着るヤツはきらいなんだよ!そっち見ないからな!」、出井さんの「なんでですか漫才しましょうよ!」の冒頭から見ていない映画、好きな映画ランキングと即興とは思えない美しい展開で素晴らしかった。優勝も納得の完成度だった。
●ドドん安田×ボーイフレンド黒沼「子ども」
宮川さんの連続ツッコミを真似する安田さん。何度目かの長いツッコミに黒沼さんが「それ! 本当に避雷針っていうツッコミであるんですよ!」と驚いていた。
ピーマンズスタンダード吉田×井下好井 好井「グルメ」
ステマを要求しておきながら「先輩だから殴れないんで…」とスルーする好井さん。なぜか総合格闘技の対戦スタイルでぐるぐると動きながら漫才が展開、最後は吉田さんが羽交い締めにされていた。
湘南デストラーデ吉田×田畑藤本 田畑「文化祭」
「中卒で大学に行ってないから文化祭ってよくわからない」という吉田さんの話から展開するネタ。
湘南デストラーデ岡本×相席スタート山添「謝罪」
山添さんが記者として岡本さんを糾弾する「謝罪会見」の漫才コント。「M-1THE MANZAIの認定漫才師バッジをつけていく勇気がなくてすいません!」と「男は黙って〜」「純愛!」に笑った。
ピーマンズスタンダード南川×ダイタク タク「結婚」
「システマ」は心にも利くのかと南川さんに質問するタクさん。結婚した夫婦の会話を例にしてジワジワと精神的に痛めつけていく怖さがものすごくよくハマっていた。落ちに向かって物理的な痛みのほうが我慢できると言わんばかりに身体を叩く南川さんはパク・チャヌクの映画に出てくる追い込まれた主人公のようだった。
●トップリード新妻×えんにち アイパー滝沢「選挙」
新妻さんが女装しなくてもトップリードのカップルコントを思わせるような夫婦漫才感があった。都知事選挙に行ったかどうかの件ですら「俺生まれが北海道なんだよ、網走だから。獄中出産」と確固たるキャラ設定のアイパーさん。R藤本さん級のブレのなさ。
●錦鯉 渡辺×ゆったり感 中村「マナー」
30代なのに50代の貫禄があるコンビ。罵り合いなのにゆるやかな間があって不思議な感覚だった。「なんだよ錦鯉って名前は」「まさのりが40歳の時に初めて書いた絵なんだよ!」が面白すぎた。
●トップリード和賀×ゆったり感 江崎「山手線」
山手線ゲームで展開する漫才。「赤」や「白」をお題にするもタイミングがなかなか噛み合わず苦戦している雰囲気だった。
ヤーレンズ楢原×タモンズ安部「不倫」
タモンズ安部さんを「どこからが不倫?」をフックに引っ張る楢原さん。安部さんのボケの馬力が大きすぎて多少大変そうではあったけれど、普段もボケ兼牽引役だけにヤーレンズのお喋りの型がどことなく踏襲されていて面白かった。「ドンジャラしかできない」「それ以前にドンジャラは2人じゃできないけどな!」に笑った。相方にあわせてなのか楢原さんの語り口が普段と違って少し砕けた感じで新鮮だった。
ウエストランド河本×タモンズ大波「酒」
いつもより多めに話していた河本さんと歯切れいい大波さんのテンポいいやり取り。井口さんとの関係性を話すうちに気球の仕組みに転がっていく様子がいかにも即興的だった。
●エル・カブキ エル上田×インディアンス田渕「マンガ」
ろくでなしブルース」や「ドカベン」をネタに上田さんの情報と田渕さんのボケが終始ぶつかり続ける情報量溢れすぎの漫才。グレート・ムタで意気投合する世代感が微笑ましかった。
●ドドん石田×インディアンス木村「学歴」
動揺が隠しきれないツッコミ木村さんと合わせようと寄せつつも噛み合わず。石田さん発信でテーマの「学歴」を派生させた「がれきが落ちてきた」をネタにWボケで納める。
ウエストランド井口×井下好井 井下「アイドル」
井口さんに「好きなアイドルは?」と聞かれてSMAP光GENJIなどの古めの男性アイドルを答える井下さんからの井口さんお得意のツッコミラッシュ。とにかく井口さんが勢いで押し切った感じだった。

美しいストーリー性のあるネタに歪でも印象深いネタ、荒いのに和やかさを感じるネタなど即興でしか見られないバリエーションの多彩さ。20組は少し多すぎる感じもあったけど、とても見応えのあるライブだった。エンディングのチームコントや即興でつくられたコンビながら皆仲良くなっている様子もなんだかよかった。次も開催されるのであれば見たい。

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