talulah gosh's blog

リハビリがてらの備忘録(昔のブログは http://d.hatena.ne.jp/theklf/ )

「吉」を体感する。

髪がずいぶん長くなったのと痛んでなんとなく扱いやすくなったので、昨今は髪を櫛でまとめている。とはいえあまりつけて出ることはなかったが、昨日は思い立って外につけて出たところ、家に着いたらなぜか櫛がなくなっている。ひさしぶりにつけた日に限って一駅手前で降り、また雨が降っており、フードを被って1キロほどを歩いて帰ってきたので、うっわ失敗した…と。
もう夜で視認性も悪いし、何より雨がさらにひどくなっている。ついてないな…諦めようかな…と一瞬は思ったものの、お気に入りの櫛はやっぱり諦めることができず、元来た道を駅まで戻ることに決めた。

 

 

フードを外した時になくなっていることに気づいたから、落ちたとすればフードを荒く被った時にひっかかって飛び跳ねたくらいしか可能性が見当たらない(つけていて落ちたならフード内に櫛があるはず)。でもフードを被ったのは駅を出てすぐの話、あってもなくても1キロは辿らなければならない。万が一、他の可能性もあるから、とマグライトで照らしながら歩いて戻ってみた。


…が、駅に着いたのに結局見つからない。落としたのではないかという心当たりがある場所も、心ある人が踏まれないようにと民家の柵の上に乗せてくれたかもしれないなとそういう所も探したけどなかった(事実、落とし物らしい小さいマスコットが一つ雨ざらしになっていた)。

やっぱりないか〜と思いながら、改札の駅員さんにも聞いてみた。見つかりはしなかったけれど、とても丁寧に対応してくれて、その駅や心当たりの駅の事務室にも連絡して聞いてくれたり、もう少し時間が経ってからの方が情報が集まっていいと思います、とセンターの連絡先をくれたりしたので、それはそれで少し心がなごんで元気になった。

とはいえ、その時点でもう1キロ歩いて見つからないししょんぼりで心が折れていたので、帰りはもう一駅乗ってしまおう、とタッチしたら今度は自動改札が通れない。そういえばもう残高がなかったんだった…。入れないことだし、方向を変えたら視点も変わって見つかるかも! と思い直し、同じ道を再度歩いて戻ることにした。

雨は更にひどくなっているわ、気温は下がって冷たくなるわでライトを持つ手も大概冷たかったのだけど、もうここまで来たらとにかく細かく見よう、とひたすら辿る。そして家まであと50メートルほどのところ。薄暗い路地辺りまで戻り、少し通り過ぎた後でふと光ったものがあった。

「あった!!!!」

なんでこんなところに!? と思うようなまったく心当たりのない場所。しかも行きにも通っていて、ちゃんと見たはずの場所。見逃した理由があるとすれば、目印にしていたピンク色の石の飾りが裏返った状態ではまったく見えなかったこと。ここにはないよね、という意識も重なってさらっと見逃してしまったのかもしれない。恐るべし思い込み。

 

なんで行きに見つからないのよ…とは思ったけど、しょんぼりゲージを多少回復させられるくらいに駅員さんに丁寧に対応してもらわなければ元気は出なかっただろうし、もし残高があって一駅を乗っていたら多分もう見つけられなかっただろうとも思う。だから、いくつかのよい偶然が重なって最終的に見つかったのだからまあいいわ、という結論に落ち着いた。

 

そういえば正月にひいたはおみくじが吉だった。そして失せものに書いてあったのは「おそいがでる」だった。確かに、多少回り道はしたものの偶然が重なって最終的に得たのはよい結果。吉って一番実感しづらい結果のような気がするけど、体験するとこういうことなのかもな、と思った。