talulah gosh's blog

リハビリがてらの備忘録(昔のブログは http://d.hatena.ne.jp/theklf/ )

緊急電話

iPhoneにある「緊急電話」という項目を、普段はほとんど気にしたことがない。日々が至って平凡で安全であることの現れなのだろうけど、あまりにそれが長く続くと本当に大事な時にはまったく用をなさないものだなと思う。

なんでそんなことを思ったかと言えば、珍しく119番をすることがあったから。裏道を歩いていたら、ビルの裏からグレーの煙が勢いよく吹き上がっているのが見えた。よくありがちな「立ち入り禁止」の札があり、入れないようにはなっているが鉄柵だったので煙の出所がドラム缶だというのも見えた。

その場にいるのはわたし1人。喫煙所の煙草がよく燃えている程度の話かもしれない、なんて風にも考えたけど、これがあとでもし本当に大きな火事になって他の建物にも燃え移ったりなんかしたら悔やんでも悔やみきれないなという気持ちになった。その次の瞬間にはiPhoneのロックを「ああ面倒だなこんなんなければいいのに」と思いながらタップしてはずし、119番に電話をかけていた。

約20分ほど経ち、最終的には火事ではないことがわかった。細かいことは書かないけれど、私はどうやら「マンションのベランダで秋刀魚を焼いている煙をぼやと勘違いして通報した人」にごく近い状況だったらしい。消防隊員さんを出動させてしまったのは申し訳ない、でも何でもなくて良かった。

などと思い返している時にふと、こういう時にこそ「緊急電話」機能を使うんじゃないの、と間の抜けたことを思った。そして逆に、咄嗟の時に勝手に出てくる普段の慣習ってのはすごいんだな、とも思った。