talulah gosh's blog

リハビリがてらの備忘録(昔のブログは http://d.hatena.ne.jp/theklf/ )

おそめさん

最近移動中ずっと読んでいた本。Brown's Books & Cafeで買った時に店員さんが「すごくおもしろいですよ」と言ってくれて(古本屋だから)、題材だけで読み始めた私は「へえそうなんですか〜」なんて合わせていたんだけど本当に面白かった。つい1カ月ほど前に亡くなられたとは聞いていたけど、本を読んだ後だと、こんな人が自分と同じ時代にいたんだ、と逆に不思議な気持ちになる。それほどたくさんの人と関わり、たくさんのことをやってきた女性だった。

中学生の頃に初めて読んだいわゆる長編小説は有吉佐和子の「芝桜」だったし(それも多分裏表紙の解説だけ読んで決めたんだと思う)、振り返ると京都のお茶屋さんや銀座のクラブのような、故き良き時代の社交場に関わってきた女の人の話が好きなんだなとしみじみする。自分と同じ性別なのにほぼ正反対の要素を垣間見られるから面白いのかもしれないけど。


石井妙子『おそめ―伝説の銀座マダムの数奇にして華麗な半生』